- 09/02/2024
- 6分
最新の量産ディーゼルの排気システムを保護するために
最新世代のディーゼル車両は、燃料に加えて尿素も必要とします。これを脱塩水に溶解すると、AdBlue®という名称で販売されている添加剤が発生します。この還元剤は、窒素酸化物排出に関する欧州規格を遵守するために不可欠ですが、気化が十分に行われないと、排気システムに重大な損傷を引き起こすおそれがあります。
AdBlue®は排気システム内でどのように作用するか
ディーゼル排気液(DEF)とも呼ばれる液状尿素溶液AdBlue®は、排気ガス後処理システム(SCR システム)装備のディーゼル車では、独立したタンクを介して分注され、高温の排気管に噴射されます。そこで、燃焼過程において発生した汚染物質が還元剤と混合し、反応して、環境に無害な水蒸気と窒素を形成します。こうして標準化された窒素酸化物値を満たし、エグゾーストから排出されます。
AdBlue®の使用時によく起こる問題
AdBlue®システム内での堆積物の発生およびその結果
反応プロセスとそれによって生じる液膜により、小さくて有害な結晶堆積物が形成され、これが車両の排気ガスシステムに重大な影響を及ぼすことがあります。この問題は、尿素よりもはるかに低い水の沸点に起因します。加熱すると、尿素が分解される前に水分が蒸発し始めます。これにより尿素結晶が形成され、ラインや配合バルブに堆積します。極端な場合にはAdBlue®システムが詰まり、ポンプやインジェクションノズルが損傷を受けます。また、エンジン制御システムからエラーメッセージが通知される場合もあります。
低温時のリスク
AdBlue®は高い割合の水分を含むため、低温もその弱点となり、氷結による故障のリスクが高くなります。車両メーカーはAdBlue®を液状に保つためにヒーターを取り付けていますが、ヒーターはエンジンが始動してから作動し始めるため、遅すぎることがよくあります。すると、氷結したAdBlue®システムを搭載した車両は始動できなくなり、完全に機能停止します。