分類と仕様
あらゆる種類のオイルを分類することにより、潤滑剤の品質と機能の国際的な一貫性が保証されます。こうした標準化のもとで、潤滑剤の要件について具体的に述べることが可能になります。
その一方で、仕様はメーカーによって異なります。仕様は、潤滑剤が自動車メーカーによればどのエンジンまたはトランスミッションに適合し、公式に承認されているかを示します。
エンジンオイルの分類
適切なエンジンオイルを選択するには、 粘度と品質という2つの情報が必要です。複数の組織がエンジンオイルの分類を行っています。
- SAE(自動車技術者協会)
- ACEA(欧州自動車工業会)
- API (米国石油協会)
- ILSAC(国際潤滑油標準化承認委員会)
- JASO(日本自動車技術会)
よく知られているヨーロッパの車両メーカーまたはエンジンメーカー(メルセデス・ベンツ、BMW、VWなど)は、粘度の記載はSAEに、品質の記載はACEAをもとに方針を決定しています。
ヨーロッパ以外で開発された車両(トヨタ、三菱、クライスラーなど)に使用されるエンジンオイルは、粘度の記載についてはSAEに、品質の記載については主にAPIまたはILSACに準拠しています。DPF装備のディーゼル車では、ACEAに準拠するものが増えています。
SAE(自動車技術者協会)
SAE(自動車技術者協会)は、特定の流動特性(粘度)を示す必要がある限界温度のみに基づいてオイルを分類しています。ただし、粘度はオイルの粘性(内部摩擦)に関する情報を提供するのみであり、品質特性を定義するものではありません。したがって、SAE分類のオイルは、異なる温度での規定の流動挙動のみを示します。
粘度は、各冷間始動領域に分類され、それらには「W」の文字(例:5W)が末尾についています。「W」の前の数字が小さいほど、オイルの低温での流動性が高くなります。稼働温度領域には、末尾の文字を除いた数字(30 など)が適用されます。数字が大きいほど、100 °Cで測定したときのオイルの粘度は高くなります。
エンジンオイル / ギアオイルを使用できる低温領域は、限界温度領域での流動性によって異なります。予想される温度が低いほど、オイルの粘度が低くなければなりません。
冷間始動時 (0 °C) にエンジンオイルが最終潤滑箇所に達するまでの時間。
粘度:0W-XX | 粘度:5W-XX | 粘度:10W-XX | 粘度:15W-XX |
2.8秒 | 8秒 | 28秒 | 48秒 |
SAE 0W | - 40 °C |
SAE 5W | - 35 °C |
SAE 10W | - 30 °C |
SAE 15W | - 25 °C |
SAE 20W | - 20 °C |
SAE 25W | - 15 °C |
(最大150,000mPa・s)
SAE 70W | - 55 °C |
SAE 75W | - 40 °C |
SAE 80W | - 26 °C |
SAE 85W | - 12°C |
ACEA(欧州自動車工業会)
欧州自動車工業会は、ヨーロッパの車両メーカーおよびエンジンメーカーのためのオイル規格を作成しています。ACEA分類では、ガソリンエンジン用 (A) 、乗用車ディーゼルエンジン用 (B) 、乗用車ガソリンエンジンおよび排気ガス後処理システム(微粒子フィルターなど)付きディーゼルエンジン用 (C) 、商用車ディーゼルエンジン用 (E) のオイルに区分されます。各カテゴリーには独自の意義があり、下位互換性を適用して使用することはできません。
2018年末、ATIEL(エンジンオイルメーカーと販売者の知識と経験を代表する利害関係者団体)は、「コンプライアンス・レター」において、ACEA A/B仕様をACEA C仕様と組み合わせてオイルで公示してはならないと規定しました。成分(灰分など)が違いすぎることがその理由です。そのため、すべてのACEA A/B仕様をACEA Cオイルから削除する必要がありました。
A1/B2 | ガソリンおよびディーゼルエンジン用の高性能エンジンオイル、いわゆる低燃費エンジンオイル、特に低い高温高せん断粘度(2.9~3.5mPA・s)。粘度等級xW-20用に留保。2016年12月以降は無効。 |
A3/B4 | ガソリンおよびディーゼル・エンジン用の高性能エンジンオイル。ACEA A2/B2またはA3/B3などの従来のエンジンオイルを上回り、これに代わるものであり、交換インターバルを延長して使用できます。 |
A5/B5 | ガソリンおよびディーゼルエンジン用の高性能エンジンオイル、いわゆる低燃費エンジンオイル、特に低い高温高せん断粘度(2.9~3.5mPA・s)。粘度等級xW-30用に留保。 |
A7/B7(新規) | ガソリンおよびディーゼルエンジン用の高性能エンジンオイル。特に低い高温高せん断粘度(2.9~3.5 mPa・s)の低粘度等級(0W-x)用。ACEA A5/B5に基づき、LSPIに対する追加保護、ターボチャージャーの清浄度の向上、チェーンの摩耗保護の向上を実現。 |
C1 | HTHS粘度が≥ 2,9 mPa・sに低減されたLow SAPSオイルのカテゴリー。性能はA5/B5と同様だが、硫酸塩灰分、リン、硫黄の割合が大幅に限定されている。 |
C2 | HTHS粘度が≥ 2,9 mPa・sに低減されたLow SAPSオイルのカテゴリー。性能はA5/B5と同様だが、硫酸塩灰分、リン、硫黄の割合が限定されている(ただしC1よりは高い)。 |
C3 | 高いHTHS粘度(≥ 3,5 mPa・s)のMid SAPSオイルのカテゴリー。性能はA3/B4と同様だが、硫酸塩灰分、リン、硫黄の割合が限定されている(ただしC1よりは高い)。 |
C4 | 高いHTHS粘度(≥ 3,5 mPa・s)のLow SAPSオイルのカテゴリー。性能はA3/B4と同様、C1と比較して硫酸塩灰分と硫黄の割合が等しく、リンの割合が高い。 |
C5 | 大幅に低減されたHTHS粘度(2.6~2.9mPa・s)のMid-SAPSオイルのカテゴリー。さらに改善され、最適化された燃費節約効果、最新の排出ガス後処理システムを装備した車両用、該当する技術的条件を備えたエンジンにのみ対応。 |
C6(新規) | ACEA C5 に基づく、LSPIとターボチャージャー保護に焦点を当てた特定のテストと新しい燃料消費テストを実施 |
API (米国石油協会)
米国石油協会は基本的にエンジンオイルを、ガソリンエンジン用 (S) および ディーゼルエンジン用 (C) の2種類に区別しています。最初の文字「S」または「C」の次の文字(JやLなど)は潤滑剤の品質を定義しています。アルファベットの後ろの方の文字であるほど、エンジンオイルの品質は高くなります。API SN PlusやSPなどのより高度な仕様は、APIによると、API SMなどの以前の分類に問題なく使用できるため、下位互換性があります。
最新のAPI SPおよびAPI SN PlusにはLSPIテストが補足されています。さらに、API SN Plus分類には「+RC 」という追記がありますが、 これは、さらに一層の燃料節約を意味します。
ディーゼルエンジン用エンジンオイルの場合は、さらに「-4」と記載されている場合があります。この追記は、トラックやバス(ヘビーデューティー)などの大容量4ストローク・ディーゼルエンジンへの適合性を示します。API CF-2は2ストローク・ディーゼルエンジンオイルの品質を表します。
2016年にはAPI Fが、排出量と燃料節約のための新しい独立したディーゼル仕様として導入されました。この新しい仕様は、専用に設計されたエンジンにのみ適用できます。API FA-4はHTHS粘度が低いxW-30オイル用で、 API Cx-4等級とは互換性がありません。
API-SA | (1930年以前)流動点向上剤と消泡剤を配合 |
API-SB | (1930年以降)劣化、腐食、摩耗に対する有効成分を配合 |
API-SC | (1964 ~1967年)炭化に対する追加の有効成分 |
API-SD | (1968~1971年)ガソリンエンジンにおける過酷な作動条件向け |
API-SE | (1971~1979年)ガソリンエンジンにおけるより高い要件 |
API-SF | (1980~1987年)摩耗防止とスラッジの搬送能力が向上 |
API-SG | (1987~1993年)(黒)スラッジの形成に対する追加保護 |
API-SH | (1993~1996 年)高温および高せん断荷重 (HTHS) での潤滑膜破損および蒸発損失に対する追加要件 |
API-SJ | (1996年以降)蒸発損失に関する追加要件 |
API-SL | (2001年以降)燃料効率に関する追加要件(「省エネ」) |
API-SM | (2004年以降)酸化安定性、エンジン清浄度、摩耗保護、経年劣化特性および低温時の性能に関する追加要件。 |
API-SN | (2010年以降)ピストンの高温保護の改善、スラッジ制御の強化、シール互換性の向上。 |
SN-RC | 燃料消費量削減のための性能の向上、ターボチャージャーの保護、排出ガス浄化システムとの互換性、およびE85までのエタノールを含む燃料で稼働するエンジンの保護 |
API-SN | Plus(2018年以降)ターボチャージ式ガソリン直噴エンジンで低速プレイグニッション (LSPI) を予防するための追加要件とLSPIテストをAPI-SNに追加。 |
API-SP | (2020年以降)オイル交換インターバル全体でのLSPIの低減、エンジンとチェーンの摩耗保護、腐食保護、排出システム(OPF/GPF)との互換性、酸化安定性、堆積物の制御、スラッジとワニスからの保護に関する追加要件 |
API-TA | 原付(旧式) |
API-TB | オートバイとスクーター(旧式) |
API-TC | 高性能エンジン(旧式だが、いまだに世界的に認められている) |
情報 - NMMA TC-W3 -> ボート用2サイクル仕様
ILSAC(国際潤滑油標準化承認委員会)
国際潤滑油標準化承認委員会は、エンジンオイルの分類において、APIによる分類に大きく依拠しています。ガソリンエンジンは6つの分類等級(GF-1からGF-6)に分けられます。ILSACではディーゼルエンジンは検討されていません。
GF-1 | 1996年に導入、API SHに相当、カテゴリーは最新ではありません |
GF-2 | 1997年に導入、API SJに相当 |
GF-3 | 2001年に導入、API SLに相当 |
GF-4 | 2004年に導入、API SMに相当 |
GF-5 | 2010年に導入、API SNに相当 |
GF-6 | 2020年に導入、API SPに相当 |
GF-6A(新規) | 2020年に導入、API SPに相当
|
GF-6B(新規) | 2020年に導入、API SPに相当
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JASO(日本自動車技術会)
日本自動車技術会は、主に二輪車用オイルの基準と品質標準を定めています。そこでは、摩擦挙動(湿式クラッチ)、せん断安定性、燃焼挙動に対するより高い要件が課されます。JASOとAPIの分類は、二輪分野では常に一緒に表示されます。さらに、乗用車と商用車用の仕様もあります。
JASO MA | 高い摩擦係数、湿式クラッチ装備のオートバイ向け |
JASO MA-2 | 非常に高い摩擦係数、湿式クラッチ装備のオートバイ向け |
JASO MB | 低い摩擦係数、湿式クラッチ非装備のオートバイ向け |
JASO FB | 低程度の洗浄、不完全な燃焼 |
JASO FC | 高度な洗浄、ほぼ完全な燃焼 |
JASO FD | 最高度の洗浄、完全な燃焼 |
DH-1 | 日本のディーゼルエンジンオイルの性能分類、2020年に導入 |
DH-2 | DH-1と同様の性能分類、ただし排出ガス後処理システム用、ディーゼル硫黄含有量は最大50ppm |
DL-1 | DH-1と同様の性能分類、ただし排出ガス後処理システムを備えた乗用車専用、ディーゼル硫黄含有量は最大50ppm |
ギアオイルの分類
変速装置のタイプが増えるにつれて、ギアオイルもさらに開発され、適合されています。そこでは、マニュアルまたはアクスル・トランスミッション、オートマチック・トランスミッション、デュアルクラッチ・トランスミッションおよびCVTトランスミッションに大きく分類されます。これらの上位グループ内には様々なサブグループがあり、そのすべてがタイプと用途に合わせて調整された特殊な潤滑剤を必要とします。
ただし、ギアオイルに関しては、メーカーに遵守が義務付けられる統一的な基準はありません(ACEAなど)。そのため、多くの特別なメーカー承認が存在します。
ギアオイルがどの品質または特性に適合しているかについて少なくとも大まかに言明できるように、マニュアル・トランスミッションとアクスル・トランスミッションではAPIに準拠して、オートマチック・トランスミッションではDEXTRONに準拠して分類が確立されています。マニュアル・トランスミッションとアクスル・トランスミッションの粘度は、エンジンオイルと同様、SAEに準拠して分類されます。オートマチック・トランスミッションオイル、いわゆるATFオイル (Automatic Transmission Fluid) の粘度は、粘度が各メーカーの承認の一部であるため、SAEに準拠して分類されていません。
正しいギアオイルを選択するには、以下の点を考慮する必要があります - 現代のトランスミッションを問題なく作動させるには、メーカーの承認に厳密に適合する高性能潤滑剤が必要です。潤滑剤の添加の種類と量は、シフト性能、交換インターバル、摩擦挙動、摩耗保護など、さまざまなパラメータに大きな影響を与えるからです。
GL 1 | 軽負荷のベベルギアまたはウォームギア |
GL 2 | ウォームギア(道路車両には搭載されていません) |
GL 3 | マニュアル・トランスミッション(ビンテージカー) |
GL 4 | マニュアル・トランスミッション、承認されている場合はハイポイドギア |
GL 5 | ハイポイドギア、承認されている場合はマニュアル・トランスミッション |
DEXTRON Tasa | 1957年以降 |
DEXTRON B | 1967年以降 |
DEXTRON II C | 1973年以降 |
DEXTRON II D | 1981年以降 |
DEXTRON II E | 1991年以降 |
DEXTRON III F | 1994年以降 |
DEXTRON III G | 1997年以降 |
DEXTRON III H | 2003年以降 |
DEXTRON VI | 2005年以降 |
Mercon | 1987年以降 |
Mervon V | 1996年以降 |
Mercon LV | 2005年以降 |
Mercon ULV | 2014年以降 |
メルセデス・ベンツ | 26 ATF承認(MB承認236.x) 21(ハイポイド)ギアオイル承認(MB承認235.x) |
フォルクスワーゲン | 14 ATF承認(G 052 xxx、G055 xxx、G060 xxx) 15(ハイポイド)ギアオイル承認(G 052 xxx、G055 xxx、G060 xxx) |
乗用車メーカーの仕様
ヨーロッパの自動車メーカーは、 ACEAのエンジン試験に基づいて規定のメーカー仕様を定めています。ただし、特定のオイルのためにメーカー承認を得るには、それぞれのACEA試験手順に加えて、その他のエンジン試験と要件を満たす必要があります。
乗用車のメーカー仕様の基本分類
Longlife-98 | 基盤 ACEA A3/B3、型式年度98年以降で使用可能、Longlife-01に置き換えられる |
Longlife-01 | 基盤 ACEA C3、型式年度2001年以降で使用可能、DPF非装備のガソリンおよびディーゼルエンジンに使用可能 |
Longlife-04 | 基盤 ACEA C3、型式年度2004年以降で使用可能 |
Longlife-12 FE | 基盤 ACEA C2、型式年度2013年以降で使用可能、低減されたHTHS粘度、下位互換性なし、特定のエンジンにのみ対応 |
Longlife-14 FE+ | 基盤 ACEA A1/B1、型式年度2014年以降で使用可能、低減されたHTHS粘度、下位互換性なし |
Longlife-17 FE+ | 基盤 ACEA C5、型式年度2014年以降で使用可能、低減されたHTHS粘度、下位互換性なし、特定のガソリンエンジンにのみ対応 |
Longlife-19 FE | ACEA C3に基づくディーゼルオイル仕様。新しいBMWテストエンジンで実施され、現在は2004年以降のLonglife-04承認の多くのエンジンに技術的に適しています。粘度等級0W-30 |
Longlife-22FE++ | 新しいBMWテストエンジンで実施され、型式年度2022年以降に承認されたガソリンエンジンにのみ使用できるガソリンオイル仕様。 |
9.55535-CR1 | 基盤 ILSAC GF-5またはAPI SN、粘度等級5W-20 |
9.55535-DS1 | 基盤 ACEA C2、粘度等級0W-30 |
9.55535-DM1 | 基盤 ACEA C5、完全合成、特別開発 |
9.55535-G1 | 基盤 ACEA A1またはA5、粘度等級5W-30、CNGエンジン用に特別に開発 |
9.55535-G2 | 基盤 ACEA A3、粘度等級10W-40および15W-40、旧式のガソリンエンジンに使用可能 |
9.55535-GH2 | 基盤 ACEA C3、粘度等級5W-40、「1750 Turbo Motor」用に特別に開発 |
9.55535-GS1 | 基盤 ACEA C2、粘度等級0W-30、0.9 Twin Air (Turbo) Motor用に特別に開発 |
9.55535-GSX | 基盤 ILSAC GF-5またはAPI SN、粘度等級0W-20 |
9.55535-H2 | 基盤 ACEA A3、粘度等級5W-40、延長された交換インターバルに適している |
9.55535-M2 | 基盤 ACEA A3/B4、粘度等級0W/5W-40、延長された交換インターバルに適している |
9.55535-N2 | 基盤 ACEA A3/B4、粘度等級5W-40、ガソリンおよびディーゼルターボエンジンに適している |
9.55535-S1 | 基盤 ACEA C2、粘度等級5W-30、メンテナンス間隔延長のガソリンおよびディーゼルターボエンジンに適している |
9.55535-S2 | 基盤 ACEA C3、粘度等級5W-40、メンテナンス間隔延長のガソリンおよびディーゼルターボエンジンに適している |
9.55535-S3 | 基盤 ACEA C3、粘度等級5W-30、クライスラー、ジープ、ランチア用に特別に開発 |
9.55535-S4 | 基盤 ACEA C4、粘度等級5W-30 |
9.55535-T2 | 基盤 ACEA C3、粘度等級5W-40、ガスエンジン用に特別に開発 |
9.55535-Z2 | 基盤 A3/B4、粘度等級5W-40、ツイン・ターボディーゼルエンジン用に特別に開発 |
Abarth 0101 | ACEA性能レベルなし、粘度等級10W-50、アバルト・エンジン用に特別に開発 |
WSS-M2C-913-D | 基盤 ACEA A5/B5、WSS-M2C-913-A、B、Cに代わる |
WSS-M2C-925-B | 基盤 API SM、WSS-M2C-925-Bと下位互換性あり、WSS-M2C-948-Bに置き換えられる |
WSS-M2C-917-A | 基盤 ACEA A3/B4、VW 505 01と同等 |
WSS-M2C-934-B | 基盤 ACEA C1、粘度等級5W-30 |
WSS-M2C-925-A | 基盤 ACEA A1/B1、A5/B5および ILSAC GF-3、粘度等級5W-20 |
WSS-M2C-925-B | 基盤 ACEA A5/B5、粘度等級5W-20、著しく低減されたHTHS粘度 |
WSS-M2C-930-A | 基盤 ILSAC GF-4、粘度等級5W-20、著しく低減されたHTHS粘度 |
WSS-M2C-937-A | 基盤 ACEA A3/B4、粘度等級0W-40、Focus RS専用 |
WSS-M2C-945-A & B1 | 基盤 ILSAC GF-5、粘度等級5W-20、著しく低減されたHTHS粘度 |
WSS-M2C-946-A & B1 | 基盤 ILSAC GF-5、粘度等級5W-30 |
WSS-M2C-947-A & B1 | 基盤 ILSAC GF-5およびAPI SN、粘度等級0W-20、著しく低減されたHTHS粘度 |
WSS-M2C-948-B | 基盤 API SN、Ford EcoBoostエンジン用に特別に開発 |
WSS-M2C-950-A | 基盤 ACEA C2、ユーロ6 TDCiエンジン用に特別に開発、粘度等級0W-30 |
WSS-M2C-952-A1 | 基盤 ACEA C5、粘度等級0W-20、硫酸灰分含有量 <0.8%、1.5 EcoBlueディーゼルエンジン用に特別に開発(2018年以降) |
WSS-M2C-956-A1 | 基盤 ACEA C5、粘度等級0W-20、VW 508 00 / 509 00に類似、Tourneo Connect用(2021年以降) |
MB承認229.1 | 2002年3月以前のすべての乗用車用、MB 229.3に置き換えられる |
MB承認229.3 | 30,000 kmまでのインターバル用、MB 229.5に置き換えられる |
MB承認229.5 | 229.3よりも厳しい要件、最大40,000kmのインターバルが可能 |
MB承認229.31 | 要件は229.3と同様だが、低灰分、MB 229.51に置き換えられる |
MB承認229.51 | 要件は229.5と同様だが、低灰分、MB 229.52に置き換えられる |
MB承認229.52 | 酸化安定性および燃料節約に関する要件の向上 |
MB承認229.6 | 基盤 ACEA A5/B5、下位互換性なし、燃料節約、特定のエンジンにのみ対応 |
MB承認229.61 | 基盤 ACEA C2 |
MB承認229.71 | 基盤 ACEA C5、著しく低減されたHTHS粘度、下位互換性なし、特定のエンジンにのみ対応 |
MB承認226.5 | ルノー RN0700に基づく |
MB承認226.51 | ルノー RN0720に基づく |
情報 - ドットの後ろの2桁 = 排出ガス後処理システム用に灰分を低減
GM LL-A-025 | 基盤 ACEA A3/B3、ガソリンエンジン用の仕様、旧式、GM Dexos2に置き換えられる |
GM LL-B-025 | 基盤 ACEA A3/B4、ディーゼルエンジン用の仕様、旧式、GM Dexos2に置き換えられる |
GM Dexos 2 | 基盤 ACEA C3、製造年2010年以降のすべてのエンジンに使用可能、部分的にOV0401547に置き換えられる。 |
GM Dexos1 Gen. 2 | 基盤 API SN-RC、粘度等級0W-20、5W-20、5W-30、LSPI問題のある直接噴射ガソリンエンジン用の仕様。 |
GM Dexos1 Gen. 3 | GM Dexos1 Gen.2の拡張で、これと下位互換性があります(オペルがPSAによって買収されて以降、GM General Motorsにのみ有効)。 |
OV 040 1547 - A20 | 基盤 ACEA C5、粘度等級 0W-20、ガソリンおよびディーゼルエンジン用、HTHS >= 2.6、LSPI保護、GM dexos2 Gen.2およびGM dexos Dの新しいOpel/ Vauxhal仕様または名称。 |
OV 040 1547 - D30 | 基盤 ACEA C3、粘度等級 5W-30、GM Dexos2の新しいOpel/Vauxhal仕様または名称、ディーゼルエンジン用 |
OV 040 1547 - G30 | 基盤 ACEA C3、粘度等級 5W-30、GM Dexos1 Gen.2およびGM Dexos2の新しいOpel/Vauxhal仕様または名称、ガソリンエンジン用 |
PSA B71 2290 | 基盤 ACEA C2、粘度等級5W-30 |
PSA B71 2295 | 基盤 ACEA A2/B2、型式年度1998年以前のエンジン用、粘度は定義されていません |
PSA B71 2296 | 基盤 ACEA A3/B4、粘度等級0W-30、0W-40、5W-30、5W-40 |
PSA B73 2297 | 基盤 ACEA C3、粘度等級xW-30およびxW-40 |
PSA B71 2300 | 基盤 ACEA A3/B4、粘度等級xW-40およびxW-50 |
PSA B71 2312 | 基盤 ACEA C2、粘度等級0W-30 |
A 40 | 基盤 ACEA A3、粘度等級0W-40および5W-40、94年以降のガソリンエンジン用。 |
C 20 | 基盤 ACEA C5、VW 508 00/509 00に相応、下位互換性なし、特定のエンジンにのみ対応。 |
C 30 | 基盤 ACEA C3、VW 504.00/507.00に相応。 |
C 40 | 基盤 ACEA C3、VW 511 00に相応、微粒子フィルター付きガソリンエンジン用(型式年度2019年以降)、下位互換性なし。 |
RN 0700 | 基盤 ACEA A3/B4、すべてのルノー・ガソリンエンジンに許可。 |
RN 0710 | 基盤 ACEA A3/B4、煤粒子フィルターを非装備のすべてのルノー・ディーゼルエンジンに許可。 |
RN 0720 | 基盤 ACEA C4、煤粒子フィルターを装備する製造年2010年以降のすべてのルノー・ガソリンエンジンに許可。 |
RN 17 | 基盤 ACEA C3、製造年2018年以降のすべてのルノー・ガソリンエンジンに許可、RN 0700およびRN 0710に代わる。 |
RN 17 FE | 基盤 ACEA C5、RN 17と同様 + 燃料節約。 |
VW 500 00 | 粘度等級SAE 5W-X/10W-Xのマルチグレードオイル、VW 501 01に置き換えられる |
VW 501 01 | 粘度等級SAE 5W-X/10W-Xのマルチグレードオイル、VW 502 00に置き換えられる |
VW 502 00 | 高度な要件に対応するマルチグレードオイル |
VW 503 00 | ガソリンエンジン用ロングライフ仕様、基盤 ACEA A1、粘度等級0W-30/5W-30 |
VW 503 01 | 過給ガソリンエンジン用ロングライフ仕様、粘度等級5W-30 |
VW 505 00 | 吸気式およびターボディーゼルエンジン用マルチグレードオイル |
VW 505 01 | ポンプノズルエンジン用マルチグレードオイル、基盤 ACEA B4、粘度等級5W-40 |
VW 506 00 | 過給ディーゼルエンジン用ロングライフ仕様、粘度等級0W-30 |
VW 506 01 | ポンプノズルエンジン用ロングライフ仕様 |
情報 - 500 000~506 01のすべてのフォルクスワーゲン承認はVW 504 00およびVW 507 00に置き換えられます(2006年6月以前のR5およびV10 TDIエンジンを除く) | |
VW 504 00 | Longlife III - ロングライフサービスを装備 / 非装備のガソリンエンジン用の仕様 |
VW 507 00 | Longlife III - ロングライフサービスを装備 / 非装備のディーゼルエンジン用の仕様 |
VW 508 00 | Longlife IV - ロングライフサービスを装備 / 非装備のガソリンエンジン用の仕様、下位互換性なし、粘度等級SAE 0W-20 |
VW 509 00 | Longlife IV - ロングライフサービスを装備 / 非装備のディーゼルエンジン用の仕様、下位互換性なし、粘度等級0W-20 |
VW 511 00 | 微粒子フィルター付き高性能ガソリンエンジン用の仕様、特定のエンジンにのみ対応 |
商用車メーカーの仕様
ヨーロッパの車両メーカーは、 ACEAあるいはAPIのエンジン試験に基づいて規定のメーカー仕様を定めています。ただし、特定のオイルのためにメーカー承認を得るには、それぞれのACEAまたはACEAの試験手順に加えて、その他のエンジン試験と要件を満たす必要があります。
商用車のメーカー仕様の基本分類
18-1804 FE | 基盤 ACEA E4/E5、全塩基価 (TBN) >14 |
18-1804 TLS E6 | 基盤 ACEA E6、全塩基価 (TBN) >13 |
18-1804 T2 E7 | 基盤 ACEA E7、全塩基価 (TBN) >14 |
18-1804 TLS E9 | 基盤 ACEA E9またはAPI CJ-4 |
18-1804 TFE | 基盤 ACEA E4/E7、全塩基価 (TBN) >16 |
18-1804 TLV LS | 燃料節約パッケージFEP1を装備したIVECO Stralisユーロ6エンジン用に特別に開発、粘度クラス0W-20 |
18-1809 NG2 | 基盤 ACEA E6、全塩基価 (TBN) >12、粘度等級5W-30および10W-40、CNGエンジン用 |
18-1811 SC1 | 基盤 ACEA C2、全塩基価 (TBN) >7、粘度等級5W-30、製造年2009年以降のトランスポーター用 |
18-1811 SC1 LV | 基盤 ACEA C2、全塩基価 (TBN) >7、粘度等級0W-30、製造年2014~2021年のトランスポーター用 |
Volvo VDS | 基盤 API CD/CE、最大50,000kmのメンテナンス間隔が可能 |
Volvo VDS-2 | 基盤 ACEA E7、最大60,000 km のメンテナンス間隔が可能 |
Volvo VDS-3 | 基盤 ACEA E5、最大100,000 km のメンテナンス間隔が可能 |
Volvo VDS-4 | 基盤 API CJ-4、近距離移動、低灰分 |
Volvo VDS-4.5 | 基盤 API CK-4、長距離移動、下位互換性あり |
Volvo VDS-5 | 基盤 API FA-4、低減されたHTHS粘度、下位互換性なし、特定のエンジンにのみ対応 |
Scania LDF | 基盤 ACEA E5 |
Scania LDF-2 | 基盤 ACEA E7、ユーロ4以降で使用可能 |
Scania LDF-3 | 基盤 ACEA E7、ユーロ5以降で使用可能、延長された交換インターバル |
Scania LDF-4 | 基盤 ACEA E6、ユーロ6以降で使用可能、延長された交換インターバル、燃料節約、特定のエンジンにのみ対応 |
Scania Low Ash | 基盤 ACEA E6/E9(低灰分) |
M3275 | SHPDエンジンオイル、60,000kmまでの交換インターバルが可能 |
M3277 | UHPDエンジンオイル、80,000 kmまでの交換インターバルが可能 |
M3377 | M3277と比較して清浄度/堆積物に対する要件が高い、交換インターバルは表示に従う |
M3477 | M3277と同様、ただしDPF装備のユーロ5エンジン用に低灰分 |
M3677 | DPF装備のユーロ6エンジン、最大120,000kmの交換インターバルが可能 |
M3977 | 燃料節約型ユーロ6新世代エンジン用、粘度等級5W-20、下位互換性なし |
情報 - ダイムラー・トラック社 (DTAG) とメルセデス・ベンツ・グループ社 (MBAG) の分離により、DTAGはフルード仕様を変更しなければなりません。そのためDTAGは DTFR (Daimler Truck Fluid Release) 仕様を導入しています。
今後はエンジンオイルの仕様は、15という番号で識別します(シート228.51ではDTFR15C110、シート228.3ではDTFR15B110など)。
MB承認228.1 | 基盤 ACEA E2 + さらなるエンジンテスト |
MB承認228.3 | 基盤 ACEA E7 + さらなるエンジンテスト |
MB承認228.5 | 基盤 ACEA E4 + さらなるエンジンテスト、延長された交換インターバル |
MB承認228.31 | 基盤 ACEA E9 + さらなるエンジンテスト、DPFに適している |
MB承認228.51 | 基盤 ACEA E6 + さらなるエンジンテスト、DPFに適している、延長された交換インターバル |
MB承認228.61 | 基盤 API FA-4 + さらなるエンジンテスト |
情報 - ドットの後ろの2桁 = 排出ガス後処理システム用に灰分を低減
RD (RD-2) | 基盤 ACEA E3 + Volvo VDS-2 |
RLD/RLD-2 | 基盤 ACEA E9 + Volvo VDS-3 |
RLD-3 | 基盤 ACEA E9 + Volvo VDS-4 |
RLD-5 | 基盤 API FA-4 + Volvo VDS-5、ユーロ6dエンジン用、下位互換性なし |
RXD | 基盤 ACEA E7 + Volvo VDS-3 |
RGD(ガス) | 基盤 ACEA E6 + Volvo VDS-3 + 全塩基価 (TBN) > 8 |
オートバイメーカーの仕様
オートバイメーカーは、ほとんどの場合、独自のオイル仕様を採用しておらず、 APIまたはJASOに準拠して定められたエンジンテストに基づき、オイル品質を規定します。オイル品質の規定に加えて、オイルバスクラッチ(湿式クラッチ)を装備したオートバイでは、せん断安定性、燃焼挙動、摩擦挙動に関するより高い要件を満たす必要があります。
オイルがこれらの特性を満たしているかどうかは、承認の下に記載することが義務付けられているJASO仕様(JASOに準拠したエンジンオイル分類を参照)で確認できます。
2ストロークエンジンオイルには、JASO 2ストローク分類に相当する欧州ISO規格があります。
ISO-L-EGB | JASO FBと同様 |
ISO-L-EGC | JASO FCと同様 |
ISO-L-EGD | JASO FDと同様 |