- 10分
エンジンの摩耗を抑制する オイル添加剤の比較
エンジンの構成部品は、長年にわたって摩擦、熱、圧力から大きな負担を受けます。金属部品の表面には常に小さな起伏がありますが、 これらが直接擦れ合うと、長期的には摩耗や損傷を引き起こす可能性があります。つまり、 ピストンやシリンダーなどの部品は時間の経過とともに摩耗してしまうということです。こうした現象は対処可能であり、また対処が求められます。コンポーネントの摩耗は、エンジンの性能と耐用年数に悪影響を及ぼすことがあります。そういったわけで、エンジンをさらに保護することが重要です。当社の3種類のオイル添加剤がまさにこれを行ってエンジンの摩耗を防ぎます。
あとは、3つの添加剤のうち、どの製品が、いつ、どのような車両に適しているかという問いが残ります。
オイルアディティブによる物理的な基礎保護
Liqui Molyの添加剤の定番であるオイルアディティブは、 当社が市場に投入した最初の製品です。調合に改善が重ねられ、60年を経た今でもご利用いただけます。この製品にはMoS2(硫化モリブデンの略号)が含まれています。
オイルアディティブの仕組み
円滑な動作をもたらす固体潤滑剤であるMoS2が、摩擦および滑りが生じるすべての金属表面で非常に弾力性の高い潤滑膜を形成します。これにより摩擦が低減され、原動機の動作がより軽くなります。こうして燃料とオイルの大幅な節約、科学的に証明された摩耗低減、高い動作安全性、信頼性の高いフェイルセイフ特性が実現します。
モータープロテクトによる化学的な保護
モータープロテクトは、まったく固体潤滑剤なしで作用する、最新の 化学的高圧耐摩耗添加剤です。
- 最善のエンジンパフォーマンスと円滑な動作を保証し、
- 大幅な摩耗低減、エンジン寿命の延長を実現。
- 効果は少なくとも50,000kmまで持続します。
モータープロテクトの仕組み
モータープロテクトは、エンジンの摺動部に非常に薄い層を形成し、この層が摩耗条件下で変形して潤滑を可能にします。
摺動部は、山と谷の連なりのようなものであると想像してみてください。それらの先端が互いに当たると、エンジン内の温度と圧力によって溶着し、再び分離します。モータープロテクトが形成する化学反応層は 非常に高い耐荷重性を備えています。これらはいわば“浸食”を防止し、摩耗を低減します。“浸食”は金属表面を永続的に損傷します。
一つで二役 - セラテックによる物理的および化学的な保護
セラテックは、物理的および化学的な摩耗保護に最適なハイテク添加剤です。ここではオイルアディティブとモータープロテクトの利点が組み合わされています。
- オイルアディティブとは異なり、セラテックではMoS2ではなく、微細なセラミック粒子を固体潤滑剤として採用しています。
- 化学的および熱的に非常に安定したマイクロセラミックが円滑な動作効果を生み出します。
- セラテックのエンジン保護効果は最大50,000kmまで持続します。
セラテックの仕組み
セラテックの化学成分は表面を円滑化します。
さらに、セラミック粒子が金属の小さな凹凸を埋め、金属表面が直接摩擦することを防ぎます。
この図は、セラテックではオイルアディティブとモータープロテクトの両者の作用原理がどのように組み合わされているかを示しています。マイクロセラミックの固体潤滑剤と化学反応により、最適な摩耗保護が保証されます。