- 10/23/2023
成績優秀 - 多機能オイルの広範な実地テスト
多機能オイルは自動車、ワークショップ、家庭などで汎用補助剤として非常に人気があります。鍵が引っかかったり、故障したエグゾーストにボルトが固着したり、玄関ドアからきしみ音が出たり、芝刈り機が始動しないとき、または自転車のチェーンを今すぐ潤滑しなくてはいけないときなど、様々な状況で汎用オイルが万能の解決手段となります。しかし、こうしたオイルは一体何の役に立つのでしょう?
ドイツ最大級の自動車専門誌のテストエキスパートは、12種類のスプレー缶入り多機能オイルを、取扱説明、安全性、使用、効果、材料適合性の各カテゴリーでテストしました。結果は満足のいくものではありませんでした。12種類の多機能オイルのうち、ラベルに記載されている約束をすべて守っているものは2種類のみでした。
LIQUI MOLYのLM 40多機能スプレーはテストとコストパフォーマンスの首位
「優」の評価を獲得したLIQUI MOLYの多機能スプレー、LM 40はテストとコストパフォーマンスの勝者です。LM 40多機能スプレーは、優れたマルチオイルに期待されるテスト基準をすべて満たす真のオールラウンド製品です。浸透性が非常に高く、水を完全に押しのけ、素材に優しく、さらには錆からしっかりと保護します。潤滑性も申し分なく、摩耗保護の面でも非常に優れています。こうしたことを、6ユーロ未満の200ml缶で最高のコストパフォーマンスで実現しています。
表の2位と3位には、同様に「優」と評価されたDr. Wack社の「S 100 Das Multiöl」とWürth社の製品が続きます。同じくオールラウンド製品であるS 100は、摩耗・腐食防止、潤滑効果および水置換、ならびに申し分のない材料適合性において優れた結果を得ています。Würth社のマルチオイルも潤滑性に関しては申し分ありませんが、摩耗・腐食防止に関してはひけを取っています。
潤滑性は良好なものの、耐摩耗性は劣る
その後ろには9つの製品が登場しますが、そのうちのいずれも多機能ではありません。Weicon W 44 T Multi-Spray(潤滑性は良好だが、摩耗保護効果は劣る)、Mannol 9899 M-40 Lubricant(潤滑性は良好だが、摩耗保護効果はほとんどない)、Sonax SX 90 plus Multi-Functional(潤滑性は良好だが、それ以外は中程度)、WD-40 Multi-Oil(潤滑性、摩耗保護効果ともに期待外れ)、Ballistol Universal Oil(潤滑性は良好だが、コンタクトスプレーとしては役に立たない)、Nigrin Performance Multi-Oil(中程度の潤滑性、 防錆・摩耗保護効果は皆無)の各オイルには「良」の総合評価が与えられました。
最下位3つは「可」と評価されましたが、ここにはPetec Multifunktion-Spray MF 500(潤滑効果は許容可能、防錆・摩耗保護は最低評価)、Caramba Super Plus Premium Multiöl(腐食防止効果は良好だが、潤滑効果と摩耗保護が不十分)が入っています。テストの最下位はBauhaus Multi-Öl BH-40 (コンタクトスプレーとして適しているが、潤滑効果に劣り、摩耗や錆に対する保護効果は非常に低い) です。
テストの仕組み。
すべてのマルチオイルの取扱説明、安全性、使用、効果、材料適合性の特性が、専門研究所でエキスパートによってテストされました。重要なテーマは摩耗保護です。ここでは、振動・摩擦摩耗試験機が使用されます。SRVと呼ばれるトライボメータによって摩擦と摩耗の高精度測定が可能になります。摩擦係数が低く、摩耗面が小さいほど、オイルは摩耗から保護されます。テストでもう1つポイントとなるのは潤滑効果です。オイルの潤滑性は、いわゆるブルッガー・テストで測定されます。防錆性は塩水噴霧試験でテストされますが、そこではパネルが無錆表面の大きさと腐食損傷の程度に従って評価されます。その他の重要なテストポイントには、オイルの浸透性と水置換性が挙げられます。最後のテスト基準は、材料適合性です。塗料の適合性は、黒く塗装されたテストパネルで検査されます。ポリカーボネート適合性試験では、テスト終了後に特殊な試験プレートに応力亀裂がないかを点検し、評価します。