- 02/09/2022
LIQUI MOLY - 困難な時期には良いニュースを
LIQUI MOLYは2021年度を7億3300万という記録的な売上高で締めくくっただけではありません。 税引前利益も急増し、3800万ユーロに達しました。これは40%の増加です。 「昨年が大変な年だったことを考えると素晴らしい結果ですが、パンデミック前のレベルからはまだかけ離れています」とエルンスト・プロースト取締役は彼の最後の収支報告の際に語りました。
利益の飛躍的な伸びは、2020年度の景気対策的投資戦略の結果です。 コロナ禍真っ只中の当時、多くの企業が支出を大幅に削減しましたが、LIQUI MOLYはそれと反対の決定をとり、 投資、特にマーケティングへの投資を大幅に増加しました。 これは収益の低下につながりましたが、ブランド認知度を世界中で大幅に向上させることになります。 期を同じくして多くの競合他社が投資を抑えたので、その影響はさらに強まりました。 これにより、需要が大幅に増加しました。 2021年、LIQUI MOLYの売上高は20%増加して7億3,300万ユーロになりました。潤滑油の生産量は当社史上最高の10万5千トンに達し、従業員数は過去最高の1008人を記録しました。 「多くの人々が時短勤務に送られていた頃に、当社予算を増額し、雇用を創出しました」とエルンスト・プローストは語ります。
例年通り、輸出事業の売上高の増加(+30%)は、飽和状態のドイツの国内市場(+13%)よりも大きくなっています。 最も重要な輸出市場である米国での50%という大幅な増加もここに貢献しました。 ポルトガルとスペイン(46%)、イタリア(101%)、オーストラリア(47%)など、LIQUI MOLYが独自の子会社を擁している他の国でも、成長率は平均以上に高くなっています。 LIQUI MOLYは現在では、売上の約3分の2を輸出で達成しています。 ドイツではとりわけ、構造が刷新されたガソリンスタンド事業と自動車アクセサリー専門販売が伸長しました。 「ドイツではすでに非常に高い市場浸透率を達成しているので、同国での成長は当然のことながらさらに困難になっています。 しかし当社は地元でも成長を続けています。これは、私たちが多くのことを正しく行っていることの証明です」ととエルンスト・プローストは確信しています。
原材料などの素材、そしてまたパッケージなどのコストが急騰していると同取締役はいいます。 「原材料や予備製品の価格がこれほど高騰していなければ、当社の収益はさらに高かったでしょう」とエルンスト・プローストは説明します。 「週単位で価格を調整するサプライヤーもありましたが、 これをすぐさまお客様に転嫁することはできません」。 LIQUI MOLYは、将来の投資、特に生産能力の拡大と約4000品目の製品の複雑なロジスティクスの改善のために利益を必要としています。 これらの投資に加えて、成長には、より大きな在庫(43%増)やより高い売掛金(18%増)といった資金調達が必要となります。 エルンスト・プローストは 「これは成長の代償です。 成長するにはその余裕が必要です」
同取締役は、この成長を自前の資金でやり繰りできていることを誇りに思っています。 「ローンも、補助金も、政府の助成金もなしです。 当社はいつも利益を再投資してきました。そして、掌中の珠のようにして約80%という自己資本比率を維持してきました。 軍資金が豊かでなければ、この危機をあれほどうまく乗り越えることはできなかったでしょう。 そしてもちろん当社は利益に対して通常の税金を支払っています」
2021年の収支を報告するエルンスト・プロースト(65)は2022年2月22日をもって退任します。 この会社を数十年にわたって築き上げ、社の今の姿を作ってきた男がLIQUI MOLYを去ります。 エルンスト・プローストは1990年にマーケティングと販売の責任者としてLIQUI MOLYに入社。 その後、以前の所有者から企業を段階的に買収しました。 彼のリーダーシップのもと、LIQUI MOLYは「グローバルプレーヤー」への成長を遂げます。 国際化が促進され、オートバイ、ボート、産業といった分野で多様化が進みました。 2008年の世界的な経済危機以降の期間だけをとってみても、売上高は2億3,200万ユーロから3倍になり、従業員数は当時の438人から2倍以上になりました。 プローストは2017年末、Würthグループに自社株を売却しましたが、取締役としての任務は引き続き努めてきました。 そして今、終わりのときです。
エルンスト・プローストは 「 『私のLIQUI MOLY』が信頼できる人たちの手に委ねられると分かっています。それは、企業経営の責任を単独で負うことになるギュンター・ヒアマイアーさんだけでなく、私の1000人以上の同僚にも委ねられる、ということです。 皆様には、素晴らしい月日に、そして成功のために数十年にわたって共に奮闘していただいたことに感謝しています」